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虫歯治療 虫歯のこと知っていますか?
「歯が痛い」「しみる」などの症状で気づくむし歯。お口の中のむし歯菌が出す酸によって、歯が溶かされてしまう病気です。一度治療をしてもまた別の場所がむし歯になるなど、治療をくり返してしまいがちなのがむし歯の特徴。むし歯治療でたびたび苦しまないために、その原因や治療などについて、くわしく知っておきましょう。
虫歯の原因とは?
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ブラッシングが正しくできていない
ブラッシングが正しくできていないむし歯菌は食べカスに含まれる糖分をエサに増殖します。食べカスがたくさん残っていると、お口の中はむし歯菌でいっぱいになってしまいます。
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糖分の多い食べ物が好き
糖分の多い食べ物が好き食べカスの中でも、むし歯菌は糖分の多いものが大好きです。糖分がお口の中にいっぱいあると、むし歯菌はどんどん活発になってしまいます。
03
ブラッシングまでの時間が長い
ブラッシングまでの時間が長いむし歯菌は、食事をしてから20~30分後くらいにもっとも活発になります。せっかくブラッシングをするなら、食後すぐにするのが効果的です。
04
歯質が弱い
歯質が弱いもともと歯質が弱い人は、むし歯になりやすいもの。歯医者さんで指摘されたり、自覚があったりする方は、人一倍歯のケアに気をつけましょう。
虫歯の進行段階と治療法
進行段階 | 症状 | 治療法 |
---|---|---|
C0 【ごく初期のむし歯】 |
歯の表面のエナメル質が溶けはじめ、白く濁っている状態。まだ歯に穴はあいておらず、痛みなどの自覚症状はありません。 | 適切なブラッシングやフッ素塗布で治ることがあります。 |
C1 【エナメル質のむし歯】 |
エナメル質がさらに溶け、黒ずんでいる状態。冷たい物がしみることがありますが、まだ痛みはありません。 | 場合によってむし歯に冒された部分を削り、レジン(歯科用プラスチック)を詰めて治療します。乳歯の進行止めもフッ素塗布を行います。 |
C2 【象牙質のむし歯】 |
エナメル質の内側にある象牙質までむし歯が進行した状態。冷たい物や甘い物がしみるようになり、ときどき痛むこともあります。 | むし歯に冒された部分を削り、レジンやインレー(詰め物)で補います。 |
C3 【神経まで達したむし歯】 |
神経までむし歯が進行した状態。熱い物がしみるようになるほか、何もしていなくてもズキズキと激しく痛むようになります。 | 神経を除去し、神経が入っていた管(根管)の内部を消毒して薬剤を詰める根管治療を行い、クラウン(被せ物)を被せます。 |
C4 【歯根まで達したむし歯】 |
歯の大部分が溶けてなくなり、歯根までむし歯に冒された状態。痛みはなくなりますが、歯根部に膿が溜まると再び痛みが出ます。 | 多くの場合、抜歯が必要です。抜歯後、入れ歯やブリッジ、インプラントなどで失った歯の機能の回復を図ります。 |
歯周病治療
歯を失う原因第1位は歯周病です。
歯を失う原因を聞かれた場合、多くの方が一番に「むし歯」と答えるのではないでしょうか。しかし、日本人が歯を失う原因の第1位は、実はむし歯ではなく歯周病です。
お口の中の歯周病菌が歯ぐきや歯を支える顎の骨を破壊していく恐ろしい病気、歯周病。歯ぐきが赤く腫れる「歯肉炎」からはじまり、徐々に歯ぐきの内側の顎の骨に進行して「歯周炎」になります。悪化すると膿が出るため口臭が現れ、歯はどんどんグラグラし、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病の進行段階
進行段階 | 症状 |
---|---|
歯肉炎 | 歯ぐきに炎症が起きている状態。ブラッシングの際などに出血しやすくなります。歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝)の深さは、3mm程度です。 |
軽度歯周炎 | 顎の骨が溶けはじめた状態。歯ぐきが腫れ、ブラッシングの際に出血が見られるだけでなく、冷たい水がしみたり、口臭が出たりします。歯周ポケットの深さは、4mm程度です。 |
中等度歯周炎 | 顎の骨が半分くらい溶けた状態。歯を指で押すとグラつきます。歯ぐきの腫れや出血に加え、歯が浮くような感じがしたり、口臭が強くなったりします。歯周ポケットの深さは、6mm程度です。 |
重度歯周炎 | 顎の骨の3分の2以上が溶けた状態。歯のグラつきがひどくなります。歯ぐきが下がり歯根が露出し歯が長く見えたり、歯と歯ぐきの境目から膿が出て口臭がよりきつくなったりします。この状態を放置すると、最悪の場合、歯が抜け落ちます。歯周ポケットの深さは、8mm程度と非常に深くなります。 |
歯周病が体に与える影響
歯周病の影響は、歯を奪うことだけではありません。最近では全身との深い関係が問題視されています。お口の問題だけに留まらない歯周病を治療・予防し、全身の健康を守りましょう。
だ液を介して歯周病菌が肺に入ると、炎症が引き起こされ肺炎になることがあります。
歯周病菌が血管に入ることで血栓ができ、心筋梗塞や動脈硬化、心内膜炎などを起こすことがあるといわれています。
糖尿病にかかっていると歯周病になりやすくなり、逆に歯周病によって糖尿病が悪化しやすくなることもあります。
妊娠中に歯周病にかかると筋肉が収縮を起こし、早産や低体重児出産を招くことがあります。
歯周病の検査法・治療法
初期であれば治療は簡単に済みますが、後期になると外科手術が必要になり、さらに悪化した場合には手のうちようがない状況になってしまいます。検査を受け、それぞれの段階に合った治療を受けましょう。
検査法
ポケット検査
歯周病が悪化すると、歯周ポケットは徐々に深くなっていきます。歯周ポケットの深さを測り、進行度を調べます。
レントゲン検査
歯周病の進行につれ、顎の骨は徐々に溶かされていきます。レントゲンによって顎の骨の状態を確認し、進行度を調べます。
歯周病が進行すると、歯はどんどんグラグラしていきます。
歯をピンセットでつまんで動かし、グラつく度合いを確認して、進行度を調べます。
治療方法
ごく初期の歯周病を治すには、原因菌である歯垢除去が重要です。一人ひとりのお口の環境に適した正しいブラッシング方法を指導します。
「スケーラー」という器具を使って歯周ポケット内の歯垢や歯石(歯垢が石灰化したもの)を徹底的に取り除く処置です。最後に、汚れがなくなったことでデコボコになった歯根面をみがき上げ、汚れの再付着を予防します。
麻酔をして歯ぐきを切開して顎の骨からはがし、歯根を露出させます。その上で歯根にこびりついた歯垢や歯石、さらに歯周病に感染した歯肉を取り除き、治癒を促します。
歯周病菌によって溶かされた顎の骨を再生させる方法。歯ぐきの内側に「メンブレン」という特殊な膜を入れてスペースを確保し、骨の再生を促します。
GTRと同じく、溶かされてしまった顎の骨を再生させる方法。骨を再生させたい部分に「エムドゲインゲル」という薬剤を注入してスペースを確保し、骨の再生を促します。
予防の重要性
歯科医院に行くのは、どんな時ですか? 多くの方が、「むし歯になったら」「痛いところがあるから」などと答えられるのではないでしょうか。しかし、実はこれでは遅いのです。
歯科先進国である欧米では、「歯科医院とは痛くなる前に行くところ」というのが常識となっています。なぜなら、むし歯や歯周病になって一度削ったり抜いたりした歯は元に戻ることがなく、さらに再発しやいというリスクを背負ってしまうからです。年齢を重ねてからも自分の歯で過ごすためには、悪くなる前に歯科医院に通って予防やメインテナンスに励むことがとても重要なのです。
当クリニックでは、予防のプロである歯科衛生士が患者様の口腔内を健康に保つためのお手伝いをいたします。自分自身のために、今すぐ予防習慣をはじめましょう。
予防することのメリット
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虫歯や歯周病を未然に防げる
むし歯や歯周病の発症を未然に防ぐのはもちろん、もしも治療が必要になった場合にも、早期発見・早期治療が可能になります。
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治療の負担を軽減できる
症状が悪化すればするほど、治療の痛みや費用など、患者様の負担は増してしまいます。予防に取り組むことで、それらの負担を軽減できます。
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お口を常にスッキリと保てる
定期的にプロの手でクリーニングすることで、お口の中はいつもスッキリ。病気の原因の除去や口臭予防にも効果的です。
当クリニックの定期検診メニュー
むし歯や歯周病の発症および再発を予防するために、当クリニックでは定期検診の積極的な受診をご提案しています。定期検診では、さまざまな予防処置やメインテナンスを行います。日々変化するお口の中に対してプロケアを施し、お口の健康を維持しましょう。
日頃のブラッシングには、どうしても自分のクセがあるものです。染め出し液を使って歯垢の染め出しを行い、みがき残しやすい部分をチェックします。
歯垢を染め出した結果をもとに、一人ひとりに適した正しいブラッシング方法を指導します。「みがいたつもり」を卒業し、きちんときれいにできる方法を身につけましょう。
フッ素には、歯の表面のエナメル質を再石灰化させる力があり、定期的に塗布することでむし歯に強い歯にすることができます。
歯科衛生士が専門の器具を使ってクリーニングする処置「PMTC」。歯と歯の間、歯と歯ぐきの間に入り込んだ歯垢を徹底的に取り除きます。定期的に行うとより効果的です。